秋田ゆかりの作家の作品も 日本画壇の最高峰「春の院展」秋田展が開幕 ギャラリートークで学ぶ日本画の魅力とは

この記事をシェア

  • LINE
秋田 2025.04.24 18:01

日本画壇の最高峰のひとつ「春の院展」の秋田展が始まりました。

80回の節目を迎えた今年も、初日から多くの美術ファンでにぎわいました。

秋田市のアトリオンで24日に始まった、春の院展・秋田展。

日本画の発展に貢献した岡倉天心が1898年に結成した日本美術院が主催する、日本画の公募展です。

会場には、日本画壇を代表する作家の作品など約130点が並んでいます。

最高賞の春季展賞に輝いたのは、「冬の花火」です。

枯れた水辺の植物の穂先にほかの枝が絡まり、川面に映る影を花火に例えました。

落ち着いた色調の中に、赤い実が映えています。

80回目の節目を迎えた今年は、秋田県にゆかりがある作家の作品が、例年よりも多く入賞しました。

半世紀にわたり日本画を描き続けている秋田市在住の佐藤悟さんは、20回目の入選です。

「雨の波紋が美しいなと思って。これを絵にしたらどうかなと思って」
「宇宙の銀河に似ているような気がして。上の丸い形になって、周りは木の陰なんですけど、そこだけ木がなくて、そこに光が当たって」「絵具そのものが美しいんですよ。岩石を砕いた粉で、本当にキラキラしている。だから塗っただけで、日本画は本当にきれいになる」

初日の24日は、日本美術院の作家・同人によるギャラリートークも開かれました。

伊藤髟耳さん(86)
「日本画っていうのは、余計なものはみんなとっぱらう、整理する、削る。そこに日本の文化があります」
「欧米はいろんなものを詰め込みます。日本画はどんどんどんどん余計なものを取っちゃう。それの代表的な画だと私は思っています」
「下手でいいじゃないですか。描くってことが大事」
「私はね、日本画っていうのはね、絵の具っていうのは、独特の発色をするんですよ。だからすごく強くなる。それを生かした作品をなるべく選んだ。だからほかの会場から比べると、ここの会場に並んだ作品は、かなり明るいです」

日本画の秀作が並ぶ春の院展・秋田展は、来月6日まで秋田市のアトリオンで開かれています。