作業員5人死亡の土砂崩落事故から11年 大切な人への思いを胸に刻む

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秋田 2024.11.21 18:12

由利本荘市矢島町で道路の災害復旧工事にあたっていた作業員5人が、土砂崩れに巻き込まれて死亡した事故から、21日で11年です。

献花に訪れた遺族は、大切な人への思いを改めて胸に刻んでいました。

熊谷奈都子 記者
「11年前に土砂崩れが起きた現場に来ています。こちらの道路の復旧工事にあたっていた作業員が土砂に巻き込まれ、5人の命が犠牲になりました」

土砂の崩落事故は、11年前の2013年11月21日に発生しました。

由利本荘市矢島町で、道路の災害復旧工事中にのり面の土砂が崩落し、巻き込まれた作業員5人が死亡しました。

事故のあとに設置された調査委員会は、崩落前に降った雪が解けて地下に浸透したことと、連続的に雨が降ったことが原因だと結論付けています。

高さ40メートル、幅70メートルにわたって崩れた斜面。

いまは草が生い茂り、当時の面影はありません。

事故のあと通行止めとなっていた市道・猿倉花立線通称「鳥海グリーンライン」は、事故から約6年後の2019年に開通しました。

いまは多くの車がこの道路を行き交っています。

当時22歳だった息子の勇貴さんを亡くした小林利昭さんとルミ子さんは、毎年この場所を訪れています。

「やっぱりビール好きだったよな、うん、で、コーヒーも本当毎日のように飲んでましたんで」
「聞いた話によれば、ちょうど休憩時間にコーヒーを買いに行って、飲んだ飲んだか飲まないかっていう時だったらしくて、それでまずいつもコーヒーとか持って来てるんですけども、やっぱり気持ちは変わらないですけどもね、当時と全然様子は変わっちゃったですけど」

2人の娘と一緒に訪れた菅野悦子さんは、夫の幸一さんに花を手向けました。

「来年ね、13回忌、市のほうでもね、やってくれればみなさんがまた思い出してくれる、くれればね、こういうことがあったっていうことをね」

5人が犠牲になった由利本荘市の土砂崩落事故から、21日で11年です。