「矢口高雄さんの原稿は本当にきれい」開館30周年の横手市増田まんが美術館で故矢口高雄さんの特別展 3月9日まで
横手市増田まんが美術館で開館30周年を記念した特別展が開かれています。
地元横手市出身の漫画家矢口高雄さんの原画とともに、世界一の収蔵数を誇る原画アーカイブの取り組みが紹介されています。
水面を飛び跳ねる躍動感あふれる魚。
圧倒的な画力と豊かな色彩で描かれた四季折々の美しい自然。
横手市増田まんが美術館ではいま開館30周年を記念して原画の魅力を知ってもらう特別展が開かれています。
展示されているのは2020年に亡くなった地元横手市出身の漫画家矢口高雄さんの作品の原画159点です。
印刷物には反映されにくい細部に宿る漫画家の思いを間近で鑑賞することができます。
また特別展では原画鑑賞の10のポイントを解説するコーナーが設けられています。
大石卓館長が原画の楽しみ方を紹介してくれました。
横手市増田まんが美術館 大石卓館長
「動きの表現ですね、風が強く吹いているとか。そういったところの線のひき方一つ強弱のつけ方。印刷したものだとつぶれてしまったりということもたくさんあります。そういった漫画家がどれだけペンを走らせているかっていうのも原画だと詳しく分かったりすると」
「この印刷するとなくなってしまう欄外にですね、アシスタントに対して『ここ、こうしなさい』とか、いろんな指示があったりとか、そんないろんな原画が存在するんですけど、実は矢口先生の原稿本当にきれいなんですよ。ちょっとここも珍しく、ここのせりふの指示何かもあったりしますけども本当に珍しいですね」
また、世界一の収蔵数を誇るという約49万枚の原画のアーカイブの取り組みも紹介されていて、まんが美術館の歴史とともに保存方法などを知ることができます。
横手市増田まんが美術館大石卓 館長
「原画を見ることによっていろんな発見があったり感動があったりすると思いますけれども、だからこそこの原稿をしっかり後世に残していこうというふうにみなさんに感じてほしい。そして応援してほしい味方になってほしいと」
一本一本の線に込められた漫画家の思いを肌で感じながら、原画保存の取り組みも学ぶことができる、横手市増田まんが美術館開館30周年記念特別企画
『矢口高雄原画展~原画の「魅力」と「価値」を考える~』は、3月9まで開かれています。