【秋田県知事選】増える期日前投票所…その背景にあるのは?巡回式の投票所に密着 鹿角市
秋田県知事選挙の話題です。
前回4年前、投票した人の半数を超える25万5000人あまりが、期日前投票を利用していました。
制度の定着により、人数は増加傾向にあります。
さらに今回、期日前の投票所の数が、前回から49か所増えて188か所となりました。
こちらの数も増え続けている反面、実は投票日「当日」の投票所の数は減っているんです。
理由として、人口減少による選挙の立会人や、事務を担当する職員の確保が難しいことがあげられています。
県選挙管理委員会は「有権者の投票機会を確保するためにも、投票所の数は維持してほしい」と各市町村に伝えていて、結果的に、期日前投票所を増やすことで、全体の投票所数をキープしている、という背景があります。
今回の知事選で、市町村別で最も期日前投票所の数が多いのが鹿角市です。
設備が整った巡回車ではなく、職員が地域を細かく回ることで、市民の投票する機会を確保しようと取り組んでいます。
人口約100人、鹿角市の水沢地区です。
地区の中央にある水沢集落会館が、25日、期日前投票の会場となっていました。
「水沢集落会館の投票、開始しまーす」
鹿角市の職員が地域ごとに出向く、巡回式の期日前投票所も。
市が独自に行っている取り組みです。
受付開始の午後1時にぴったり合わせて訪れた地域住民が、自身の思いを込めた1票を投じていました。
投票時間はわずか30分。
「これで水沢集落会館の投票、終了します。お疲れ様でした」
7人が訪れた期日前投票所では、すぐに後片付けが始まりました。
てきぱきと作業を進め、足早に去っていった職員たち。
車で移動をすること15分。
今度は別の地区の拠点で、期日前投票所の設営を始めました。
鹿角市では、投票日の前日まで常設される期日前投票所7か所のほかに、この巡回式の期日前投票所を、去年の衆議院選挙から設けています。
今月行われた市議会議員選挙に続き、今回の知事選が3回目。
記載台も含めた会場準備もお手の物で、わずか1分半ほどで整いました。
投票日「当日」の投票所を7か所に集約した鹿角市。
その反面、期日前投票所を、開催時間が短くても、細かく、多くの地域に設置することで、投票率向上につなげたいと考えています。
27日での3日間で、34か所を巡回。
常設も含めた41か所の期日前投票所は、今回の知事選では、県内25市町村で最多となります。
特に、高齢者の多い地域での投票につながっている、巡回式の期日前投票。
鹿角市選挙管理委員会 木村正 委員長
「ありがたいなという声が届いてますけれども、まだまだ周知の徹底がなされてないので、これから周知徹底して改めてやっていきたいなという感じになっています」
人口減少や高齢化が進む秋田県。
選挙事務の効率化が求められる一方で、高齢者の投票する権利を置き去りにしない、一票の重みを守るための仕組みが今後も求められます。