昨シーズンのハタハタの水揚げはわずか17トン 「このままでは漁師がいなくなる」漁業関係者に強い危機感 男鹿市

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秋田 2025.04.22 18:27

記録的な不漁が続くハタハタについて資源をどう管理していくのか話し合う協議会が開かれました。

昨シーズンの水揚げは禁漁が開けて以降最も少ない17トンで、漁業関係者からは「このままでは漁師がいなくなる」と切迫した声が聞かれました。

漁業関係者や県の担当者などが集まったハタハタ資源対策協議会。

学識経験者 大竹敦座長
「ハタハタの資源状況が厳しくて、マスコミ等で報道されました通りかなり厳しい状況にあるのかと思います」

県水産振興センターによりますと、昨シーズンのハタハタの漁獲量は沖合が15トン、沿岸が2トンであわせて17トンでした。

禁漁が明けた1995年以降、最も少なくなった前のシーズンの1割ほどの水揚げにとどまっています。

秋田と青森、山形、新潟、それに富山の日本海沿いの5つの県の漁獲量を合わせてもおよそ40トンで、広域的な不漁でした。

県は、2020年以降12月の海水温が平均的に高い傾向にあることも不漁の要因とみています。

昨シーズン行った調査では1歳に満たない稚魚が確認されなかったほか沿岸に産み付けられている卵も数多くは確認できませんでした。

県水産振興センター 松井崇人さん
「小型魚を残せば資源としては守られるという方式を取ってきたんですけど、次年度以降となる資源の1歳魚を保護していく目的で目合い拡大していたところですが、小型魚がほとんどいない状況のなかで親となる大型魚の資源も残していかなきゃいけないっていうところを考えていかなければいけないんじゃないかというふうに今考えております」

秋田県漁業協同組合 西方強さん
「ハタハタの減少で一番困ってるのは漁師なんだから、そういう手当はちゃんとしてやってほしい」
「12月、1月、2月、3月、4月、収入ゼロなるんだよ、ゼロ」

水産振興センター 松井崇人さん
「ハタハタが獲れないなかで漁師さんの生活支えるうえではやはり獲れる魚を増やす方法ってなってくるとまぁそういった方法をしていくしかないかなというところもあるところではありますので、ただやはり既存の漁業者さんとの兼ね合いもあったりするのでそのへん上手く調整がとれるように…」

西方強さん
「そういう状態でないんだって、既存の漁師とかそういう状態じゃないんだって、漁師いなくなるから、現状でも漁師が減っていってるんだから十分規制緩和してこうやった方向に行かねば、だめだ、漁師死ぬって」

冬の間の漁師の収入をどう確保していくのかも課題として浮き彫りになったきょうの協議会。

県は水揚げされても流通していない魚の利活用も視野に入れて、対策の検討を続けることにしています